医師臨床研修

当院における臨床研修の特徴

■当院における内科研修の特徴

 1.総合内科病棟での研修(臓器別ローテーションなし)のため、効率よく研修を行うことができる。
 現在、研修病院の多くは臓器別病棟になっており、内科すべての分野を経験するためには、2~3ヶ月ごとに循環器、呼吸器、消化器などをローテーションする必要があります。このため研修医は、指導医、看護師などの名前を覚え、その科のシステムに慣れたと思ったら、次の病棟にローテーションすることになってしまいます。
 当院では、8ヶ月間ローテーションなしで研修を行うので、最初の1~2ヶ月でシステムに慣れてしまえば、あとは余分なことに労力を使う必要がありません。

 
2.Common diseaseを中心に幅広く内科全般の疾患を経験することができる。
 肺炎、脳梗塞、糖尿病など、いろいろな分野の内科疾患を経験できます。初期研修終了時には、経験を積んだ病態・疾患についてレポートを出す必要がありますが、当院で研修した研修医は、そのレポートの大半を当院で経験した症例を用いてまとめています。
 また、患者の訴える症候が「発熱」、「腹痛」など”common”なものであっても、疾患自体は珍しいものである場合もあります。当院では、こういった疾患も見落とさずに診断し、学会に症例報告を行っています。
 

3.毎朝、看護師も含めたカンファレンスを指導医とともに行うなど、指導体制が充実している。
 毎朝30分ほどかけて、内科入院全患者についてカンファランスを行っています。その日の担当看護師、指導医とともに検査・治療予定のチェック、病状の把握を行います。指導医が研修医とマンツーマンでペアを組んで診療を行う体制なので、研修医が「ほったらかし」になることはありません。
 一方で、研修医を「お客様扱い」することもありません。中心静脈穿刺、胸腔ドレーン挿入、腹腔穿刺、腰椎穿刺、骨髄穿刺など必要な手技は、見学するだけではなく指導医による指導の下にどんどんやってもらいます。
 

4.他科・他職種との連携がとりやすい。
 当院は一般病床数126床の中~小規模総合病院で、一言で言うと「アットホーム」な職場です。規模が小さいので、他科の先生、コメディカルの方々ともすぐに顔なじみになります。初期研修の時から薬剤師、栄養管理士などとコミュニケーションをとりながら診療する姿勢を身につけることは非常に大切ですが、当院ではこれが自然とできるようになります。


5.東大病院から地理的にもっとも近い協力型病院である。
 当院は、東大病院から徒歩約15分の距離にあり(文京区湯島)、東大病院から地理的にもっとも近い協力型病院です。2年目の研修期間のうち8ヶ月は当院で内科研修を行い、残り4ヶ月は東大病院で産婦人科・小児科・精神科・地域医療研修を行います。東大病院と生活圏が同一なので、研修に際して転居を考える必要がありません。東大病院の内科医局との関係も深く、当院で研修されたあと東大病院で活躍されている先生方も大勢いらっしゃいます。

■当院での研修はどのような研修医に適しているか

 以下の希望を持っている人には、当院での研修をお勧めします。

  1. 将来、内科へ進むことを志望しているので、臓器別専門研修を受ける前に、内科全体の研修をしておきたい。
  2. 将来、内科以外の分野を志望しているので、初期研修期間中に内科的なアプローチを身につけておきたい。
  3. 自分で考えたり調べたりしたことを指導医と議論し、納得しながら診療したい。
  4. 「病気」を診るだけではなく、「患者」ひとりひとりとじっくり向き合って診たい。

野戦病院的に、次々とやってくる患者をとにかく数多く診たい人や、カテーテル・内視鏡的インターベンションなど最先端の医療に触れてみたい人には、当院は向かないかもしれません。